My Foolish Heart

From America to Everywhere

痴漢を泣き寝入りさせないためにはどうするべきか

今日は重たいトピックです。

年明けのニュースにこんな記事があり、目を疑いました。「受験シーズンにあわせ痴漢警戒強化」。記事の写真には痴漢撲滅を訴える警察と、横にサザエさんが並んで訴えかけています。知名度のあるキャラクタを使って訴えなければいけない「日本の闇」です。

私は思いました。「なぜ痴漢をするのか?」「何の目的で?」「誰が?」と。

場所は恐らく電車だと思いますが、私には通勤するための手段であり、頭はずっと仕事モードで、痴漢という犯罪に手を染める意味や意義や理由が一切ない。つまりまさしく対峙しているのは狂った人間と日本社会の闇です。我々はこのような闇から目を背けてはいけないと思います。

とはいえ感情論では一向に埒が明かないので文献を参照して現状を炙り出したいと思います。

 

まず、Amazonで「痴漢」と検索して絶句しました。まず文献が少ない、どころか並んでいるのはアダルトビデオのタイトルでした。信じられますか? 痴漢を性消費として楽しむ、日本の闇の入り口が垣間見れますよね。

 

原田隆之さんの「痴漢外来」(ちくま新書)によれば

・痴漢は酒やタバコと同じ依存症であり、やめたくてもやめられない。痴漢に取り組む際のドキドキ感から理性を抑えられない。

・痴漢の依存症に通う患者は、ほぼ100%が男性で平均年齢が約36歳。フルタイム勤務は約50%、大卒以上も51%、既婚者も40%ほど。つまり「高い学歴を有し、家庭や仕事を持っている人達が多いということが、薬物依存症やアルコール依存症の患者さんたちとは大きく異なっている」(原田隆之 2019 痴漢外来 筑摩書房 p31)とのこと

・そして驚くのは痴漢は大規模の人間が電車で朝一斉に移動する日本特有の犯罪とのことであって、被害者は泣き寝入りすることが多い。警察庁の調査で痴漢の被害者は全体の14%で、そのうち80%が我慢したか、逃げたとのことだった。

筆者はその他にも男性優位の日本の文化的な背景を説明しているので興味がある方は読んでいただきたいです。

 

 

前述の通り、痴漢を検索すればアダルトビデオが多数ヒットする事情は日本文化そのものです。そうやって通勤電車で女性を搾取したいのでしょう。

 

対策は、まずは女性専用車両の導入や満員電車率を下げたり、依存症の治療などを当たり前に実施せねばならないとしても、長期的には「仕方ない」文化を変えていかないことには改革は難しいと思います。しかし、女性側の抑止力・反撃能力を高める為には泣き寝入りさせない強い武器を女性側に提供することが必要です。

そりゃ、我慢したり逃げたりすればそれで日常は続くかもしれないし、痴漢野郎に今日の人生を邪魔されるくらいなら忘れた方がいいということもあり得るのかもしれませんが、絶対に許さないと、それを今日白日の下に晒す、という勇気を与える武器が必要です。

 

では武器とは何でしょうか?

それは、まさに現場の被害女性の周りにいる人々の献身です。更に言えばその場に遭遇するかもしれない「我々」です。最も重要なのは、白日の下に晒すのは被害者ではなく、「我々」だということです。彼女らにその場の責任を押し付ける気持ちが日本特有の闇です。正直に申すと困っている人に声をかけたり真っ先に助ける事は日本人が苦手とする分野だと思います。日本人は苦しむ人を無視しがちです。恐らく「関わりたくない」という思いでしょう。でも痴漢野郎は1対1ではなくその場にいるチームプレイで抑え込まねばならないのです。

これができればまずは我慢や泣き寝入りも減少するはずです。我々はこういった一つ一つの闇に立ち向かうべく勇気を持たねばならないと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

Kaishu