My Foolish Heart

From America to Everywhere

「自分がよく知らないビジネスには手を出さない」のは正しいのか

今回のタイトルは投資家ウォーレンバフェット氏の投資ポリシーの一つとして知られているものから取ったものです。バークシャー・ハサウェイ率いる同氏は先日来日し、日本の総合商社への出資比率を高める事を発表していました。

同氏のコカコーラなどの「ブランド価値の高い企業に投資する」ポリシーは有名ですが、「自分がよく知らないビジネスには手を出さない」というのも度々よく目にするポリシーです。私は勝手ながらこのポリシーを「自分が肌感覚で理解できる事業を選ぶ」と変換して理解しています。

なぜこのテーマを設定したかといえば、社会人として10年勤続してきて、そろそろ興味のない出世から距離を置いて、今いる業界や置かれているルールの中だけに留まらず、何か一貫した事業に振り切って専門性を磨いていきたいと考える中で、直感的に腑に落ちたポリシーだったからです。

今日の参考文献は以下です。

テーマに対する結論から申し上げると、「自分がよく知らないビジネスには手を出さない」のが正しいか否かはわかりません。もっと背伸びをしろ!未領域の分野に飛び込んでこそ、商売をやる意味があるんだ、という声もあるかもしれません。しかし自分が拭い去れない違和感がある場合は自分の直感を信じるほかないとも思います。

幸いにも私は重厚長大の産業に10年間関わってきました。組織一丸となってデカいことを成し遂げ日本の公益に寄与する点では本当に意味のある事だとは思います。しかし冷たくいえば何か自分なりの足跡を残したというよりかは、あのプロジェクトに長年関わってました、という実績しかなく、スパンが長いが故に日々に一定の緩さもあり気がつけば歳だけ取っていたということになりかねないのも事実だとも思います。

その中で、私が最近一番生理的に気持ち悪いとして感じているのが「肌感覚で掴みづらい」という点です。宇宙ビジネスやeVTOLなどの新領域がよく取り上げられていますが、上記の重厚長大産業はこの手の新領域に政府の後押しも受けて、飛び込みたがります(そうせざるを得ないのかもしれませんが)。でも「本当に手を出して大丈夫なのか?」というのが私の内なる声です。

本当に幼稚な発想ですが、まず宇宙に行ったこともないし、飛行機もヘリコプターも飛ばしたこともない人間がどうしてそれらの事業で上手くいくという確信を持てるのか、また大勢の利害関係者で新領域を先取できると思うのかが本当にわからないのです。その理由が、「できないけれども、やらなければ国際競争においていかれると感じてとりあえず政府の補助金つけて手を出す」だとか「国内産業に金を落とすためにとりあえずメーカーにやらせてみる」というメンツや建前に起因するものであったなら地獄です(正直そういう事情も多々発生しがちです。)。

 

確かに結論で申し上げた通り、難しそうだけれども、やってみたら実はできたとか、メンタルとして、未知に挑戦するビジネスマンであるべきだという指摘はごもっともです。しかし、今の日本の技術力とマインドでできるのかという冷静さは絶対に持つべきだとは思います。そういう意味では肌感覚で理解できないものには手を出さないというのは私が大事にしていきたいポリシーです。

最大のリスクは大事にしたポリシーが全然間違っていて、社会人人生が希望していた方向に行かなくなるというのはありますが。。。

 

みなさんはどのようにお考えでしょうか。是非お考えお聞かせください。私は今温めているアイデアが幾つかあるのですがまたそれはどこかで披露させていただければと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

Kaishu